内科や外科で検査したけど、異常がないといわれた。

それでも、便秘や下痢などの便通に関する異常を伴う、腹痛や腹部の様々な不調が一定期間多くの場合繰り返されます。

・出勤前の朝方。
・外出や外食の際。
・会議や試験の前。
・電車(各駅停車以外)、バ? スや飛行機を利用の際。
・なれない人と接する時。

患者様への指導

IBSでは日常の生活習慣に問題がある場合が多いです。そこで、患者さんの日常生活習   慣について、生活上症状の引き金や増悪因子となる原因があるのか患者さんとともに検討し、思いあたる原因がある場合にはこれを認識してもらい、そのうえで生活指導や環境整備を図る必要があります。
IBS症状を悪化させると考えられるものとしては過食、大腸内に貯留したガスによる鼓腸、薬、麦、チョコレート、乳製品、アルコール、カフェインの含まれる飲み物(たとえばコーヒー、紅茶、コーラ)、またストレスなどがあげられ、IBS症状の軽減にはこれらの因子をできる限り避けること、つまり食事や睡眠を規則的にとること、ストレスを軽減する、香辛料、アルコール、高脂肪食、非吸収性糖類などの過度な摂取の制限、高線維食の摂取などが勧められます。このうち線維の摂取は1日25g以下が推奨されているが、可溶性線維を多く含む食事をとるようにし不溶性線維はとりすぎないようにすることが望ましいです。なぜなら消化管でのガス産生が多くなるなどにより腹部膨満感などの消化器症状の増悪をきたしやすいからです。
また、日本では潜在的な乳糖不耐症の頻度が高く、このために下痢症状が増悪している可能性があることも考えられます。

古田賢司 足立経一 木下芳一.薬物治療 身体面の治療 佐々木大輔(編)
過敏性腸症候群 脳と腸の対話を求めて 中山書店 108-115

治療方法とその後の注意点

ご相談の上、お薬を使用させていただくこともあります。症状は「よくなったり、わるくなったりしながら回復していくことが多い」ため、症状に一喜一憂しないことが、なにより大切となります。ご本人個人の状態に応じて、今後を見据え「ストレス」と折り合えていけるように、行動療法も、ご相談の上行います。