脳の機能不全により、日常生活に支障をきたしている状態です。

・もの忘れがひどい。
・話しがかみあわない。
・物が盗まれたと、家族を疑う。
・頑固で、自分の失敗を認めない。

実は、一見「認知症」と思われてしまう方々の中に、「うつ状態」の方々が多勢おられます。「うつ状態」を呈する幾多の薬剤、身体疾患や様々な環境などにも、十分な配慮を怠らぬべきでしょう。
病歴、頭部CT、MRI、脳波、心理検査などの結果を総合して、「認知症」と確定診断をされた際には早期治療が大切といわれております。
ご本人の性格、養育環境やご支援される方々の状況を勘案して、治療方針を決めていきましょう。
ご家族の方々は、決しておひとりで抱えこまずに、気軽にご相談ください。
他、初期症状に加え「周辺症状」として、下記の症状がみられることがあります。

・特に夜間の大声や徘徊。
・感情が日によって不安定。
・不安感が強くて、ひどく落ち込むことが多い。
・苛々して怒りっぽく、暴言や暴力がみられる。
・幻覚や妄想が目立つ。
・眠れない日が続き、昼夜逆転となっている。

ご家族の方々も「共倒れ」にならぬよう、前記のことがございましたら、ためらわず是非ご相談ください。

高齢者の薬物動態の変化・薬物治療の留意事項

水分量の減少、相対的な脂肪量の増加→血中濃度の上昇、脂肪組織への蓄積
アルブミンの減少         →遊離型薬剤の増加
肝血流量減少、初回通過効果減少  →肝代謝率の高い薬剤の血中濃度上昇
糸球体濾過量・腎血流量低下    →腎排泄型の薬剤の血中濃度上昇

石井伸弥、秋山雅弘、老年精神医学雑誌、2013 より引用改変

治療方針

薬物治療のみならず、あくまでも、ご本人やご家族と相談させていただくことを基調といたします。

気軽にご相談ください。